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株価純資産倍率(PBR)

2021.4.1(木) 掲載
 株価の割高・割安を判断するのに使う代表的な投資指標のひとつ。「Price to Book-value Ratio」の略で、1株あたりの純資産に対する株価の倍率を示す。純資産は資本金や利益剰余金などの合計で、企業が解散する際の株主への分配原資になる。PBRが1倍を下回る場合、理論上は企業が存続して企業価値を上げるよりも、解散して純資産を分配したほうが株主が多くを得られると市場が評価していることを示す。
 もっとも、PBRの水準だけでは必ずしも株価の割高・割安を判断しきれない面もある。1倍割れの企業でも、将来の赤字など純資産が目減りするリスクを織り込んでいる可能性がある。一方、現在の会計ルールでは企業が自ら生み出したブランド価値などの無形資産を貸借対照表に計上しにくいため、IT(情報技術)大手などの株価は純資産に比べて高くなる傾向がある。同じ業種・業態内での比較や同じ銘柄の過去の推移などを参考に使うのが一般的だ。