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経済を読むために知っておきたい指標の定義

知っていると経済が読みやすくなる「景気指標」の定義集。
日経の記事や『景気指標』面を読むときにとても役立つ保存版です。
※小宮一慶氏の著作<ハニカム式>日経新聞1週間ワークブックより国内関連指標のみ抜粋

GDP関連

国内総生産 機械受注
(船舶・電力除く民需)
法人企業統計 公共工事請負金額 消費支出2人以上世帯 貿易・通関
景気指標の中でいちばん重要な数字で、その国(地域)の経済規模の大きさを示す。日本の国内総生産(GDP:Gross Domestic Product)は「日本国内で、1年間に産み出された付加価値の総額」、または「日本国内で1年間に作り出された財(モノ)とサービスの合計」。「名目」は実額、「実質」は物価変動を調整した金額。
産業用の機械メーカー280社の受注額の増減を示す。企業が設備投資のための機械を発注する段階をとらえるので、実際の設備投資の先行きを占う指標として重要。 財務省が四半期ごとに発行する「法人企業統計季報」の数字。対象は資本金1000万円以上の企業。「設備投資」は企業が機械や工場などの有形固定資産へ投資した金額。「営業利益」は企業の本業の儲けを表す金額。 国や地方自治体などが発注する公共工事の発注動向を表す指標。公共工事の75%程度をカバーしているといわれている。「民需」「貿易黒字」とともに日本のGDPを支えている「政府支出」の動向を反映。 「家計の支出」の増減を示す。GDPの55%強を支えている「家計の支出」を表しているので、景気指標の中でも最も重要な数字の1つ。日経新聞の『景気指標』面に掲載されている「消費支出2人以上世帯」は、2人以上の世帯を対象に調査を行い、算出した金額の増減率を示す。 財務省が、通関時の価格をベースに算出している輸出入の総額。「輸出」が「輸入」を上回れば「貿易黒字」、反対に「輸出」が「輸入」を下回れば「貿易赤字」。「貿易黒字(外需)」は日本のGDPを支える大きな要素。

企業活動関連

日銀短観業況判断 景気動向指数(CI) 鉱工業指数 稼働率指数製造工業 企業倒産件数  

「短観(タンカン)」として有名な日本銀行の調査。規模別では大企業、中堅企業、中小企業、業種では製造業と非製造業を対象に調査を行い、景気が「良い」と答えた割合(%)から「悪い」と答えた割合(%)を引いた数字。

内閣府が発表する景況感の指数。基準年(現在は2005年)=100として変化を示す。景気を先取りする「先行指数」(株価や機械受注など)、景気に並行する「一致指数」(営業利益や有効求人倍率など)、景気に遅れて動く「遅行指数」(消費支出や完全失業率など)がある。 鉱業と工業の生産高、出荷数量、在庫の状況を表す。日経新聞の『景気指標』面には「生産指数」「出荷」「製品在庫」「製品在庫率指数」が掲載されている。景気が上向くと、生産と出荷が増加し、在庫が減る。反対に景気が後退すると、生産と出荷が減少し、在庫が増える。 製造業(鉱業は含まない)の生産設備の稼働状況を表す。実際の生産量と潜在的な生産能力の比から求める。基準年の2005年を100として指数化したもの。企業が増産に踏み切ると、在庫が減少するとともに、この指数が上昇する。 銀行取引停止処分、会社更生法の適用、商法による会社整理、民事再生法の適用、破産、特別清算のいずれかに該当した企業数を合計した値。  

業種別関連

生産指数集積回路 粗鋼生産高 広告扱い高 第三次産業活動指数 建設工事受注 新設住宅着工
半導体の集積回路(IC)の生産状況を表す指数。パソコンや携帯電話、家電の需給によって比較的大きく増減するのが特徴。4〜5年の周期(シリコン・サイクル)で増減を繰り返す。
大手鉄鋼会社の粗鋼(鋼材に加工される前の半製品)の生産高を合計した数字。月別の数字は年換算したもの。「年1億トン」が採算分岐の目安。 広告代理店大手2社(電通と博報堂)の広告取扱金額。企業は、業績が悪くなるとすぐに広告費を減らすので、「広告扱い高」は景気の上げ下げをいち早く反映する。 サービス業の生産状況を示す指標。エネルギー、情報通信、運輸、卸売・小売、金融・保険、不動産、飲食・宿泊、医療、教育など幅広い業種が対象。 建設会社大手50社の受注金額を合計した数字。民間の建設工事と国や地方自治体の公共工事の両方をカバー。建設業の業績は世の中の景気より1年以上遅れて動く。 住宅を新築する際に、建築主が都道府県知事に工事の届け出をした件数。住宅は、景気が悪くなり地価が下がりはじめると、買い控えがおきやすく、景気が好転して値段が上がりはじめると注文が入るようになる。
マンション契約率 小売業販売額 新車販売台数 全国百貨店売上高 旅行取扱状況  
不動産経済研究所が調査している新築マンションの契約率。建設した戸数に対する契約率なので、必ずしも景気動向を正確に反映するわけではない。
小売業(百貨店、チェーンストア、スーパーマーケットなどの大型小売店、コンビニエンスストアなどを含む)の売れ行きを表す指標。「消費支出」とも密接に関連している。 乗用車と軽自動車の新車販売台数。日本自動車販売協会連合会が発表する乗用車(普通車、小型四輪車)の陸運局への登録届出台数に、全国軽自動車協会連合会が発表する軽四輪乗用車の販売台数を加えたもの。 日本百貨店協会が全国各地のデパート(百貨店)の売上高を集計した数字。消費全般というよりは「不要不急」の贅沢品の売れ行きを表す指標とみなされる。 国土交通省が主要な旅行業者50社の取扱金額を集計した数字。国内旅行と海外旅行、観光とビジネスの両方を含む。百貨店売上高と同様に不況になるとすぐに落ち込みやすい。  

雇用関連

現金給与総額 所定外労働時間 常用雇用指数 有効求人倍率 完全失業率  
従業員1人当たりの給与の総額。「給与」は、所定内給与(基本給)と所定外給与(残業代)と賞与(ボーナス)を合わせた金額を指す。GDPの55%強を支えている「家計の支出」の原資となる重要な指標。
いわゆる「残業時間」の平均値。企業は、景気が良くなると残業時間を増やし、景気が悪くなると残業時間を減らすので、所定外労働時間は景気の変動に敏感に反応する。 企業が雇っている従業員の数を、特定の年の数字を基準にして指数化したもの。フルタイムで働く正社員だけでなく、一定の条件を満たすパートタイムの従業員も対象。 仕事を求めている人に対して求人がどれだけあるかを表した数字。分子が求人数。分母が求職者数。数字が1を超えていれば仕事の方が多く(景気が良い)、1を割り込んでいれば人の方が多い(景気が悪い)。 労働力人口(満15歳以上で働く意志を持っている人)に占める完全失業者数の割合。厚生労働省が全国の家庭を対象に調査を行い、「現在働いているか」と「働く意志があるか」を調べ、働く意志があるのに働いていない人は「失業者」とみなされ、指標の分子に組み込まれる。  

物価関連

国内企業物価指数 消費者物価指数
(生鮮除く総合)
輸入物価指数 企業向けサービス
価格指数
   
国内の企業間で取り引されているモノ(財)の価格水準を示す。基準年(現在は2005年)=100とした指数。日銀が1887年から毎月発表している、日本でいちばん古い統計の1つ。
日本国内のモノ(財)とサービスの小売価格の水準を、総務省が調べて毎月発表している指数。調査対象によって複数の指数があるが、一般的には生鮮食料品を除いた数字(生鮮食料品は値動きが比較的大きいので)がよく使われる。 さまざまな種類の輸入品(モノだけ)の平均価格を、国内に入ってくる水際段階で調査し、指数化したもの。基準年(現在は2005年)=100。日本は資源輸入国なので、エネルギーや鉄鉱石などの価格が上昇すると、「輸入物価指数」も上昇する。為替相場の動向によっても変動する。 金融、運輸、通信、不動産、広告などといった第三次産業が、企業向けに提供するサービスの価格水準を示す。基準年(現在は2005年)=100。「国内企業物価指数」と合わせると企業間取引全体の価格水準を把握できる。    

金融・市場・国際収支関連

M3増加率 マネタリーベース コールレート翌日物 新発10年国債利回り 銀行計貸出残高 国内銀行貸出約定
平均金利
「M3」はマネーサプライ(通貨供給量)を示す指標の1つ。マネーサプライにはM1とM2とM3があり、いずれも「現金+預金」で構成されるが、どの金融機関のどの預金を対象とするかに違いがある。その中でM3は、日本銀行やゆうちょ銀行、外銀も含めたほぼすべての金融機関が対象で、預金の種類も普通預金、定期預金、CD(譲渡性預金)といちばん広い。
現金通貨(流通している貨幣)と日銀当座預金(金融機関が日銀に預けている資金)の残高の増減を示す。中央銀行(日銀)がマネタリーベースを増やすと、マネーサプライを何倍かに増やす効果がある。 銀行同士がお金を貸し借りする市場(コール市場)で1日だけ借りる「翌日物」の金利水準。政府(日銀)が意図的に調整している政策金利でもある。 政府が新しく発行した10年物国債の利回り。額面の金利(クーポン)ではなく、市場での取引価格に基づく実質的な利回りを意味する。国債の市場価格が上がると利回りが下がり、市場価格が下がると利回りが上がる。 都市銀行、地方銀行、信託銀行などの貸出残高の伸び率。企業の資金需要が旺盛になると増える傾向にあるが、大企業は銀行からの借り入れに頼らなくても自前でファイナンス(資金調達)できるので、必ずしも景気と連動するわけではない。 金融機関の貸出金利の平均値。金融機関が過去に貸し出しを行った際の金利を、現在の貸出残高で加重平均した数字。銀行が実際に貸し出したお金の金利がどの程度なのかを表す。
外貨準備高 国際収支 円相場 日経景気インデックス
(日経BI)
日経通貨インデックス 日経公社債インデックス
政府や日銀が、輸入代金の決済や借金の返済など外国への支払いにあてるために、外貨建てで保有している準備資産。日本の外貨準備高は中国に次いで世界第2位で、ここ数年は1兆ドル前後で推移している。
日本が外国と取引する際に受け取る金額と支払う金額のバランスを示す。国際収支は、「経常収支」と「資本収支」に大別される。経常収支の内訳は、「貿易収支」と「サービス収支」と「所得収支」。 インターバンク(銀行間)市場で取引されるドル/円(1ドルが何円に相当するか)とユーロ/円(1ユーロが何円に相当するか)の為替レート。「直物(じきもの)」は、約定してから二営業日後に決済する取引。 さまざまな指標を総合して、景気の方向性と程度を1つの数字で表したもの。生産、需要、所得、労働の4つの側面を代表する指標(鉱工業生産、商業販売額、所定外労働時間、有効求人倍率)がベース。 各国の通貨の「実力」の目安として発表している指標。世界二十数カ国の通貨が対象で、通貨ごとにクロスレートを算出し、国別の輸出入額の構成比で加重平均したもの。ある通貨が、その他の世界の主要通貨に対して強くなるほど値が大きくなる。 国債をはじめとする公社債市場全体の動きを反映。短期債(償還まで3年未満)、中期債(同3年以上7年未満)、長期債(同7年以上)に分類し、それぞれの複利の平均利回りを示す。
日経平均 東証一部        
「日本株」の相場水準を表す代表的な株価指数。東京証券取引所(東証)の第一部に上場されている銘柄(約1700銘柄)のうち、売買が活発で、市場流動性の高い225銘柄の平均値。日本経済新聞社が銘柄を選定し、計算している。「日経225」(にっけいにーにーご)と呼ばれることもある。
「東証一部」は東京証券取引所の第一部に上場されている全銘柄(約1700銘柄)の状況を示す。「上場株時価総額」は、全上場銘柄の終値ベースの時価総額(株価と発行株式数を掛け合わせた金額)。「一日平均売買代金」は、その月に成立した売買の総額を1日当たりに均した数字。        
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