むずかしいニュースこそ、「見て」学ぼう 全図解ニュース解説

日経の記者が、その時気になる経済ニュースを、写真や図解を使いながらわかりやすく解説するコーナーです。

ニュースとニュースのつながりや、過去から現在への流れ、
そして今後への影響など、「立体的」に理解することができます。

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テーマ百貨店業界の最新事情を知る!

 個人消費の低迷や業態間競争の激化など、小売業界を取り巻く経営環境は年々厳しさを増しています。特に百貨店業界は不振が鮮明で、2010年の売上高はピーク時の約3分の2にまで落ち込んでいます。こうしたなかで、最近では増床や改装計画が相次ぐほか、専門店を積極的に取り込んだりこれまであまり手掛けてこなかった低価格商品に力を入れるなど、意欲的な取り組みが目立っています。今回は百貨店業界のこれまでの経緯や近年の不振の背景、各社の最近の取り組みなどについて解説します。

「品揃え」「サービス」「高級感」を武器に、小売業を代表する存在に

「品揃え」「サービス」「高級感」を武器に、小売業を代表する存在に

 百貨店は、大規模な売り場で衣・食・住にわたるあらゆる商品を販売する小売業態の1つです。主に都市部の繁華街や駅の周辺に立地しており、「百貨店=何でも取り揃えている店」という名の通り、一カ所でまとめて何でも買い揃えることができるのが魅力です。また、売り場が「婦人服」「家具」「生活用品」「食品」のように部門別に組織・区分されていることも特徴で、「デパートメント(部門)・ストア」という名称もこれに由来します。このほかにも、「定価販売を原則としている」「高級イメージがある」「対面販売による丁寧な接客応対」といった特徴があります。
 なお、日本の商業統計調査の基準では、①取扱品目が衣食住にわたり、そのいずれも小売販売額の10%以上70%未満、②従業者数50人以上、③セルフ方式をとらない――以上の①~③に該当する店舗(事業所)のうち、売場面積3000平方メートル以上(都の特別区および政令指定都市は6000平方メートル以上)を「大型百貨店」、売場面積3000平方メートル未満(同6000平方メートル未満)を「その他の百貨店」と定義しています。
 世界初の百貨店は、1852年にパリに設立された「ボン・マルシェ」と言われています。日本では1904年に、「越後屋」という名の呉服店だった三越が、呉服以外に洋服や日用雑貨の販売も手掛けたのが百貨店の始まりとされます。その後、高島屋、大丸、松坂屋など、同じく呉服店を前身とする百貨店が次々と誕生し、続いて阪急、阪神、西武など鉄道会社の系列百貨店も開業。幅広い品揃え、きめ細やかなサービスなどが日本の消費者の支持を得て大きく成長し、長らく日本の小売業の主役として業界をけん引してきました。1991年には、その総売上高は9.7兆円にまで達しています。

2011年2月14日掲載