むずかしいニュースこそ、「見て」学ぼう 全図解ニュース解説

その時気になる経済ニュースを、写真や図解を使いながらわかりやすく解説するコーナーです。

ニュースとニュースのつながりや、過去から現在への流れ、
そして今後への影響などを「立体的」に理解することができます。

  • はてなブックマーク
  • Facebook
  • mixiチェック
  • Twitter
  • LinkedIn

テーマ半導体のしくみと業界の現状について知る!

今年に入って国内半導体業界に関する2つの大きなニュースがありました。2012年2月、パソコンなどに使う記憶装置であるDRAMで世界3位のエルピーダメモリが会社更生法の適用を申請。日本の半導体産業の苦境が一段と深まっている現状が浮き彫りになりました。また同月にはルネサスエレクトロニクスなど国内半導体メーカー3社が、システムLSI事業を統合する方向で協議を始めたことが明らかになりました。実現すれば世界有数のシステムLSIメーカーが誕生し、国内製造業の競争力の底上げにつながると期待されています。今回は半導体とは何か、世界の半導体産業のこれまでの経緯、半導体業界の再編の最新動向などについて解説します。

電子機器になくてはならない物質

電子機器になくてはならない物質

 「半導体」とは、金属のように電気をよく通す「導体」と、ゴムやガラスのように電気を通さない「絶縁体」の中間的な性質を持つ物質です。代表的な半導体としてシリコン(ケイ素)やゲルマニウムがよく知られています。
 電気の流れやすさは、その物質の電気抵抗の大きさが関係しています。電気抵抗が大きければ電流は流れにくく、電気抵抗が小さければ流れやすくなります。半導体の最大の特徴は温度の変化や光の照射、不純物の添加により、この電気抵抗率が大きく変化することです。こうした特性を利用することで、電流を一方向にのみ流すダイオードや、電気信号を増幅したり電気信号の流れを高速でON/OFF(スイッチング)するトランジスタなどの電子部品がつくられています。「半導体」とは本来はシリコンなどの物質を意味しますが、現在では半導体を用いた電子部品(半導体素子)やそれらを集積したICやLSI(後述)などを指すのが一般的です(ここでも特にことわりがない限り、この意味で「半導体」の語を用います)。
 半導体は、記憶装置であるメモリー(DRAMやフラッシュメモリー)、演算装置であるマイクロプロセッサー(MPU=超小型演算処理装置)、赤や緑などの光を発する発光ダイオード、人間の目と同じような画像認識機能を持つCCDイメージセンサーなどさまざまな種類に分かれています。
 半導体素子が1つのチップ(基盤)にどれだけ集積しているか(集積度)によっても分類できます。最も集積度が低く単機能しか持たない半導体はディスクリート(個別半導体)と呼ばれます。トランジスタやダイオードが代表的です。次に集積度の高いのがIC(集積回路)で、トランジスタなど複数の機能の素子を1つのチップに載せたものです。ICの集積度を高め、1つのチップに1000個以上の素子を集めたものをLSI(大規模集積回路)といい、さらに複数のLSIで構成されるシステム機能を1つのチップ上に集積したものをシステムLSIといいます。半導体の高集積化が進むにつれ、ほんの小さな回路でさまざまな機能を同時に実現できるようになりました。

2012年4月16日掲載